性別で異なる運動や栄養素について
運動が健康に良いことは、皆さんよくご存知かと思います。
しかし、単純に「運動」といっても様々な形態があり、
運動の強度や量、あるいはどのような栄養を摂るかによって、効果も異なってきます。
さらに、同じ運動をしていても、性別や年齢等によって効果の出方に違いが出てきます。
そこで今回は、性別や年齢によって異なる運動の効果や、それぞれにおすすめの運動法、食事等についてご紹介します。
▶︎男性と女性の筋力差の理由
男性と女性の身体の大きな違いとして、上半身と下半身の骨格の違いが挙げられます。
一般的に、男性は上半身が大きく、肩幅も広いのが特徴です。
女性は上半身が小さく肩幅も狭いのですが、下半身は大きいというイメージがあります。
そのイメージはお手洗いのサインをみてもわかると思います。
アスリートは別として、一般的に、女性は男性に比べると上半身の筋量が少ないため、
腕立て伏せや、懸垂等が苦手な方が多いと思います。
ただ、これは女性だから弱いというわけではなく、男性に比べると女性の筋肉の絶対量が少ないというのが理由です。
仮に男性と同じ筋肉量の女性がいたら、同じように腕立て伏せや懸垂を行うことができるでしょう。
つまり筋肉を形づくる「筋線維」の単位でみると男女差はないのです。
では、女性も男性と同じように頑張ってウェイトトレーニングをしたら、筋肉が太く大きくなるのでしょうか。
実際には、女性が男性のように筋肉をつけることは非常に難しいのが現状です。
それは、性ホルモンが関係しているためです。
▶︎性ホルモンの役割と重要性
筋肉は、常にホルモンの環境下にさらされています。
そのため、トレーニングの効果は、バーベルやダンベル等による力学的な刺激以外に、ホルモンの影響も受けます。
特に男性ホルモンであるテストステロンは、たんぱく同化ホルモン(アナボリックステロイド)として知られており、
筋肉の合成や成長に大きく関わっています。
ちなみに、男性ホルモン、女性ホルモン等の「性ホルモン」と、副腎から放出される「副腎皮質ホルモン」、
それから「甲状腺ホルモン」の3種類を総称して「ステロイドホルモン」と呼びます。
ステロイドホルモンはコレステロールの構造を少し変えることでつくられるのですが、
体内におけるテストステロンレベルが高い人ほど筋肉がつきやすいことがわかっています。
テストステロンは男性の場合、約95%は睾丸(精巣)で作られ、残る5%が副腎で作られます。
テストステロン(男性ホルモン)は、もちろん女性にもあるのですが(*)、男性に比べると非常に量が少なく、
女性の血中テストステロン濃度は男性の15分の1から20分の1と言われています。
(*)女性は副腎や卵巣でテストステロンが分泌されます。
上記のような理由で、基本的には女性が筋トレを行ってもなかなか筋肉がつきづらい(筋肥大しにくい)のですが、
稀に筋肉がつきやすい女性も実際におり、体内のテストステロンレベルが比較的高い女性は、
筋肉のサイズや筋力が増加しやすいと考えられています。
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