男性の理想の体脂肪率ってどれくらい?
「某サッカー選手の体脂肪は3%」といった記事を目にしたことがあるかもしれません。
アスリートとなれば、体脂肪が一桁台という人もいますが、一般的な男性の場合の体脂肪は10〜19%が標準となります。
もし、この数値以内にいる人が、もう少し引き締まった体を目指したいというならば、15%前後をめざすとよいでしょう。
女性の理想の体脂肪率ってどれくらい?
女性の場合は、20〜29%が標準となります。
男性と比べて、もともと女性の体は脂肪が多く、
脂肪は、女性ホルモンの分泌にも不可欠なものとなります。
それが女性らしい体のシルエットを作るほか、妊娠・出産に備えたり、臓器を守るために役立っています。
ですから、あまりに体脂肪を減らしすぎると、生理が一時的に止まったり、
将来骨粗鬆症のリスクが高まるなど、悪影響が出る可能性があります。
アスリートやモデルの女性で、体脂肪率を極端に低くコントロールしている場合には、
健康的というよりもむしろ、女性としての体に負担をかけているケースもあります。
体脂肪が20%以下になると、生理が止まる可能性が高くなるので、
「ヤセたい」と思ってもこの数値よりは低くならないようにしましょう。
体脂肪率が高い原因は?
摂取カロリーと消費カロリーのバランスが乱れ、摂取カロリーが上回る生活を続けていると
脂肪はどんどん蓄積され体脂肪が高くなります。
これは、人類が満足に食事を摂取できない時代から備わっている体の機能で、
食事がとれなかったときのために体にエネルギーを蓄えるのです。
それが、現代では食事でエネルギーをしっかり摂ることができるうえ、
車や電車などの交通機関を利用して歩く機会が減り、
パソコンなどの通信機器も発達して体を動かさなくてもよくなりました。
そのため、摂取カロリーが消費カロリーを容易に上回り、体脂肪が高くなりやすい環境になっているといえます。
これが、現代人に肥満が増えている要因のひとつです。
体脂肪率が低い原因は?
食事をたっぷり摂っても活動力が多く、運動もしているという人であれば、
消費カロリーが上がり、体脂肪率が低くなりやすいでしょう。
しかし、たくさん食べているのに体重が落ちて、
体脂肪率も低くなっているという場合は、「甲状腺機能亢進症」など代謝異常の病気の疑いもあります。
甲状腺の病気は、男性で50〜100人に1人、女性では30〜60人に1人という高い割合のものです。
甲状腺機能亢進症の症状の一つとして、食べるのにヤセる……ということがあります。
その他の特徴的な症状としては、代謝が上がり、動悸や発汗、やたらに暑く感じるなどがありますので、
そういった傾向がみられる時には医師に相談をしましょう。
体脂肪を減らしすぎるのってどうなの?
女性の場合、体脂肪が20%を切ると生理が止まる可能性が高くなると前述しましたが、
体脂肪を減らしすぎるのは、体にとって負担になるので注意が必要です。
「体脂肪=ダイエットの敵」ではなく、体脂肪はもともと体に備わっているもので、役割があるのです。
まず、“皮下脂肪”には体温をコントロールしたり、体を外敵刺激から守る働きがあります。また、ホルモン分泌もします。
“内臓脂肪”は、内臓の位置を固定して胃が下垂するのを予防する働きがありますし、エネルギー貯蔵庫でもあります。
血液の中には“中性脂肪”があり、これもコレステロール値のバランスをとるのに必要なもので、
低ければいいというものではありません。
体脂肪を敵視せず、標準値の範囲でコントロールするように心がけましょう。